ビジネスの要諦の最近のブログ記事

法人、つまり株式会社としてソーセキ・トゥエンティワンを設立したのが
2013年3月21日。もうすぐ2年目を終え、3年目を迎える。

会社名がトゥエンティワンなので21日にこだわりたかった。
そのためだけに法人登記を急いだのであった(笑)

4月21日でもよかったんだけど
「3・2・1・GO! 」みたいな日付で、なんか気持ちいいじゃないですか。
いま考えると何も考えてなかったなあ。ノリだけだ。

ぼくは「起業しよう!」とおもって会社を設立したわけではない。
起業せざるを得ない状況にあったからだ。

当時、ぼくは失業者だった。
30社以上の企業に履歴書を送付して
ことごとく落ちた。絶望的だった。

家入一真さん的にいえば「居場所」がなかったわけだ。
しかし「居場所がないなら居場所を創ってしまえ!」ということで
精神的に追い込まれた状態で
活路を見出すべく創った会社だった。

会社を創るってどういうことかな?
ということを一生のうちで一度、
経験してみるのもいいか、とも考えていた。

とりあえずスタートは
個人事業主でもよかったのかもしれない。
当時その選択肢は眼中になかったけれども。

多くの中小企業は、3年以内にその8割が廃業する。
そんなことを本で読んだ記憶がある。

何とかしなきゃ!で創った会社だけれど、
最近は思い入れが強くなって、何とか存続させなきゃ!と
考えるようになり、いま融資を視野に入れつつ
税理士さんのアドバイスをいただきながら
事業計画書などを書いている。

痛感するのは
自分には起業家とか経営者のセンスってないかもなあ(涙)
ということだ。いやはや、まったく。

最近、為末大さんの『諦める力』という本を読んだ。


4833420481諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉
為末 大
プレジデント社 2013-05-30

by G-Tools


為末さんは陸上競技のアスリートで
100メートル走という陸上の花形を諦めて
あえて400メートルハードルという分野で成果を出した。

「諦める」は仏教では「明らめる」であり
自分を客観的に見据えるポジティブな考え方であるという。

努力しても叶わない世界がある、と為末さんは言う。
であれば、戦わずして勝つ世界で勝負しろ、と。
マーケティング的にはブルー・オーシャン戦略かもしれない。

とはいえ、努力せずに諦めるのは、いかがなものかとおもう。
安直すぎるじゃないですか。

努力だけでなんとかなるほど世間は甘くない。
企業法人の維持、経営には才能が必要ということは
誰に言われなくとも重々感じている。

しかし、センスや才能がないなら、みっともないほど愚直に努力して
それでもダメなら諦めるしかないけど、いまはまだその段階ではなく
足掻けるだけ足掻いてみようと考えている。

そんなわけで、事業計画書に
ぴりぴりと敏感になっている昨今。

ふと目に飛び込んできて、これはすげー!とおもったのが
大塚家具の社長、大塚久美子氏の中期経営計画だ。

実の父親との確執で話題にもなったようだが
久美子氏が中期経営計画を発表した後に、
株価が急騰したことでも話題になった。

と、話題を振っておいて脇道に逸れます。

スケールがちいさくなるけれど
「企画書の書き方、プレゼンの仕方」について再確認したい。

企画書には基本的な構成がある。
例えば、プロモーションの企画書であれば次のような感じだ。

01.与件の整理
02.市場背景、外部環境の分析
03.製品またはサービスの強みと弱みの整理
04.基本戦略、企画の方向性
05.ターゲット
06.コンセプト
07.プロモーションの全体構造
08.具体案
09.運営体制
10.展開スケジュール
11.概算予算

2と3はいわゆる「SWOT分析」と呼ばれるもので、
多くの場合、企画書の構成は上記を網羅して作成される。
事業計画書については、また少し違ってくるのだが。

場合によっては戦略的に
最初に予算を持ってきちゃうとか、
いきなりコンセプトからはじめちゃうとか
奇を衒った構成もあり、である。

結局何なの?と早急に知りたいスティーブ・ジョブズみたいな(笑)
お客さまの場合は結末から語るのがいい。
ただ、日本企業の場合、演繹的に説得するのが一般的だろう。

また、前半部分は一方的に語るのではなく
「こういうことでしたよね?どうおもわれます?」
と相手と対話(コミュニケーション)する場としても必要になる。

一般的にプレゼンは、プレゼンテーターが
一方的に提案するものと考えがちだ。

ところが実は一方的に聞かされているだけのお客さまは
フラストレーションをためていることがある。
お客さまだって話したい。
そこで、最初にお客さまと対話することが大切だと考える。

また、前提部分で納得していただければ
スムーズに企画に同意いただける。

「いや、そうじゃないんだけど」と否定された場合は
その後の企画の持っていき方を、即興でアレンジしなければならない。
ただ、後者の場合、お客さまの理解が不完全だったということで
プランナーは反省すべきでもある。

プレゼンは、コミュニケーションなのである。

だいぶ脇道に逸れました。
ええと、大塚家具の中期経営計画の話でした。

この中期経営計画が優れているのは
分析から具体案の施策まで一貫して戦略が先鋭化され
さらに組織体制の布陣も明確化されていることにある。

分析・施策・組織体制の部分を
公開されているPDFから見ていきたい。


1.分析

第一に日本の家具消費トレンドが
「まとめ買い需要」から「単品買い需要」に推移していることを指摘。

h27-2-25_Page_05.png

新築住宅の減少という外部環境も分析に入れている。

h27-2-25_Page_08.png

一方で内部環境の分析として、販売スタイルやブランディングが
「接客に抵抗がある」「高そう」という課題を抱えていることにも触れる。

h27-2-25_Page_06.png

そして、市場構造の変化をIKEAやニトリという競合と比較して
ポジショニングし、中価格帯に再流入する見込み客を
得るべきであることを強調する。

h27-2-25_Page_09.png


2.施策

上記の背景の分析を踏まえて、施策に対しては2つに注目した。

第1は、大型店の出店を「北海道」「千葉」「大阪・梅田」という
商圏人口がありながら出店がない地域に絞り込むこと。
ランチェスター戦略でいえば、局地戦だ。

h27-2-25_Page_12.png

第2は、ユニークな専門店の設置。
住のなかで眠りに特化した「Good Sleep(ぐっすり)Factory」は
ネーミングも秀逸であるし、ぼくも行ってみたいぐらいだ。
照明に特化した「Lightarium-ライタリウム-」は
プラネタリウムにかけた造語だとおもわれるがセンスがいい。

h27-2-25_Page_13.png
※著作権等を考慮し、イメージ画像は削除しました。


3.組織体制

このような施策を実行する組織として
社外取締役と監査役の候補のスキルセットをマトリクスで表している。
ダイバーシティも考慮して、9人のうち2人は女性だ。
個人的にはもっと女性役員を増やしてもいい気がする。

h27-2-25_Page_25.png

大塚久美子氏の中期経営計画は見事だとおもった。
感動した。

しかしながら、お客さまとの打ち合わせのときに
雑談でお話ししたところ別の視点もいただいた。

久美子氏は新築需要が減っていることを挙げているが
そのお客さまのご友人が新築の時に、家具を選んでいて
ものすごく悩まれたそうだ。

照明はいろんなものがあり過ぎて、何がよいかわからない。
しかし、大塚家具に行ってショールームをみて
「こんな感じの部屋がいい」と社員に希望を伝えると
その通りにコーディネイトしてくれるので非常に便利だという。

そんなトータルコーディネイトができる家具屋さんは
大塚家具しかない、とのこと。

そこで考えたのだが、久美子氏が徹底的に攻撃する
親父さんの経営戦略にも、あながち問題ばかりじゃない。
そのサービスに感謝しているお客さまもいる。

なので僭越ながら考えたのは
「父親と娘で経営のことで親子喧嘩なんかやめて和解して、
大塚家具は、親子双方の経営者の良さを
共創的に経営に生かしたらいいんじゃないか」
ということだ。

ひじょーに余計なお世話ですが。

+++++

ビジネスは人間が行うものである以上、
論理だけでなく、感情など
複雑な文脈(コンテクスト)が絡み合う。

教科書やマニュアル通りに
いかないものであり
正解も、ない。

独立なんかしないでサラリーマンがいいよ
といわれたら、その通りだとおもう。
いまを生き延びることでせいいっぱいで
現在、ぼくには余裕がない。

しかし、自分の会社を立ち上げることで
とてつもない学びがあった。
自由も感じている。
ささやかだけれど、しあわせでもある。

人生、楽しんじゃったもの勝ちだ。
挫折も失敗も恥も
楽しさの一部。

さて、仕事でもしますか。
深夜なんですけど。


150307_image.jpgぼくにはワークライフバランスなんてない。
どこから趣味で、どこから仕事なのかもわからない。
18時間ぐらい働いていることもあるから
とんでもないブラック企業ともいえる(笑)

しかしながら、
いま充分に満足しているし
ハッピーだったりする。
それでいいや、とおもっている。
いや、それがいいな、と。

人生はみずから選ぶものであり
このツラさも楽しさも自分で選んだものだ。

(外岡 浩)

2015年が幕を開けた途端、風邪をひいてしまった。

晴天の霹靂というか、
夕飯の買い出しに出て戻ってきたところ、
まず、くしゃみが止まらなくなった。

20発ほど連続しただろうか。
はーなんだこりゃと、くしゃみの嵐がおさまったところ
ぼくは風邪のひとになっていた。

高熱っぽい。喉が痛む。
しかしながら手元に体温計がないから
どれぐらい熱があるのか、まったくわからない。


Screenshot_2015-02-05-04-38-19.pngのサムネール画像発熱といえば、だ。
手持ちのスマホがすぐ「発熱」するのである。

「CLEAN MASTER」という
ユーティリティアプリを入れているが
気が付くと「57℃ 内部温度が高すぎます」と
叱られてしまう。

あまりに高温になりすぎると機能が制限されるようで
夏場には、写真を撮ろうとしたら
筐体が高温すぎて
カメラ機能が使えないことがあった。

布団に寝込みつつ
携帯電話を脇にはさんだら熱が測れたらいいのに
と、おもった。しかしながら、そういうセンサーを
搭載した機種はいまのところないようだ。

しかし、いずれはそんなこともできるようになるかもしれない。

4月には登場すると言われている
Apple Watch」をはじめとして
ガジェットやアプリによるヘルスケア機能の充実がめざましい。



Apple Watchでは消費カロリー量の目標を示したり
加速度センサーにより運動量を測定できる。

また、座りっぱなしの場合は立ち上がるように警告もしてくれるようだ。
きっと座って仕事ばかりしている自分は警告されまくりだ。
心拍センサーも組み込まれている。

こうしたヘルスケアのガジェットは
ナイキ「FUELBAND」のヒットに発端があったのではないか。


B00GKU17TCNike+ fuelband SE ナイキフューエルバンド SE ブラック/ボルト [並行輸入品]
Nike

by G-Tools


FUELBANDは、特にランニングやウォーキングをするひとたちに愛用され
BluetoothでiPhoneにデータを送信して管理できる。

デバイスのテクノロジーが進化したこともあるが、健康を自己管理する動向は
「クォンティファイド・セルフ(Quantified Self:QS)」として
注目されているらしい。

体調は、ほんらい目に見えない。
その目に見えない体調を数値化することによって
自分で管理しようという動きである。

ただ、2014年02月20日、Newsweekのサイトに掲載された
瀧口範子氏のコラムでは数量化トレンドに警鐘を鳴らしている。
(「ウエアラブルは何のための存在か」)

ウェアラブルデバイスによる体調管理は
ランニングやウォーキングの趣味の世界で活用されるだけでなく
もっと多様な活用が考えられるはずだ。

2015年1月22日のWIREDの記事でも
高齢化社会や慢性疾患に悩む患者のための医療分野で
活用されるべきではないか?という提言があった。
(「「ウェアラブル」業界は、届けるべきターゲットを見誤っている」)

最先端のガジェットとはいえないかもしれないが
聴覚に障害を持つ方のためにインターフォンや電話、ファックスが届いたことを
振動で伝える腕時計「シルウォッチ」という製品もある。

この製品を開発された85歳の齋藤勝さんの話を
Eテレの「ろうを生きる難聴を生きる」という番組で
興味深く視聴した。
(「安心を届けたい-音を知らせる腕時計-」)



ところで、ぼくが最近携わった仕事に
JUKI株式会社様(東証1部上場)が販売代理店として扱っている
「ドライブリズムマスター」の動画制作
ならびにパンフレットやSPツールの制作がある。

この製品は、ドライバーの事故防止や安全運転のために
シートに取り付けたセンサーが、心拍数などから
自律神経と副交感神経の動きを測定する。

そして眠気の予兆、集中力の低下などを
カーナビのような「体調ナビ」で音声とキャラクターで
教えてくれるユニークな装置だ。

以下、ぼくが制作に携わった紹介映像をYouTubeから。



企画構成・シナリオ作成、総合ディレクションはソーセキ・トゥエンティワン、
映像撮影と編集はヒューマンセントリックス様にお願いした
共同制作である。

自分で携わった仕事を紹介すると
「ステマだ」とか言うひともいるかもしれない。

しかし、ぼくは自分が仕事に携わる場合、
どのようなクライアント様や製品であったとしてもまず
「企業や製品を理解し、惚れ抜くこと」
が大切だと考えている。

最初は、正直なところピンとこなかった。
しかし担当者様の熱い説明を何度もヒアリングさせていただくうちに
「これって凄いかも!いや、こういう製品こそ社会に必要だよね!」
という想いに変わった。

ぼくはドライブリズムマスターに惚れ込んでいる。

IT業界でウィルス対策ソフトのプロモーションを考えていたときにも感じたが
たいてい、こういうリスク管理の製品の宣伝は「脅し」が多い。
事故が起きたときの危険性を煽って導入を促す。

しかし、ほんらいであれば
伝えるべき大切なメッセージは、利用者の安全にある。

ムリな運行を避けて、休憩をとるべきときにしっかり身体を休めたり、
運転を交替してもらったり、安全な運行管理をすることが大切。

ドライバーの体調をベストコンディションに維持するために、
自覚はないけれど身体が発しているサインを教えてくれることが
この製品の果たす役割である。
決して眠いドライバーを叩き起こしたり、
疲れているのにムリして働かせる強制労働の装置ではない。

北風と太陽の寓話があるが、脅しではひとの心は動かないことがある。

制作した映像では、きれいなナレーターの女性に
「毎日のお仕事お疲れさまです」とか
「健康に気を付けて行ってらっしゃい」というような
ドライバーの体調をいたわる言葉を
語りかけていただいた。

脅されるよりも、こういうコトバのほうが
数倍うれしいじゃないですか。
そもそも、ぼくが言われたい(笑)

結局のところ、テクノロジーは
ひとをしあわせにするためにある。

もちろん、ランナーの体調測定も大事だろうが
運転事故を未然に防いだり、高齢者や慢性疾患の方に注意を促したり
聴覚や視覚に障害のある方が快適に生活できるように
テクノロジーは活用されるべきではないか。

ぼくは、たかがコンテンツの企画・制作会社(というかひとりだけど)
のプランナーやディレクターに過ぎない。

しかし、コンテンツを通じて
社会に何かあたたかい贈り物をしたり
製品のよさを最大限に伝えることができれば、と考えている。

コンテンツ・マーケティングとよく言われるけれど
アクセスを集めるためだけのおちゃらけた映像や
バラエティ番組のようなウェブサイトや
クラウドソーシングの在宅ライターに
1件300円などの超低コストでウェブで収集した情報を
再利用して大量に文章を書かせることが
コンテンツ・マーケティングかというと
正直なところ違うとおもう。

そういうもんじゃないでしょ、コンテンツ・マーケティングは。

e826de6d8b36949f264c57240e026059_s.jpgコンテンツには可能性がある。

ひとつのコンテンツが、
社会や世界を変えることができるかもしれない。
新しい文化を生み出せるかもしれない。

そのためにはクリエイターは
時代の動向に感性のセンサーを働かせなきゃいけない。
「面白けりゃOK」
「炎上してもアクセス上がればOK」のような
志の低い稚拙な発想に留まっていてはいけないとおもう。

などというようなことを考え、コンテンツを創るものとして
ぼくはあらためて矜恃を正すことにした。

高熱でふらふらしている日曜日の午後に。

(外岡 浩)

感性と聞くと、一般的に特殊な能力だとおもわれがちだ。
アーティスト特有のもののように聞こえる。

しかし、感性は一部のひとだけに授けられた先天的な能力ではない。
後天的に「鍛える」ことができる。

尾坂昇治さんの『「感性の扉」をひらく秘密の法則』を読んで
目からウロコが落ちるような言葉に出会った。
次のような言葉だ。


 感性の正体は実は「データ処理能力」だ。


141107_kansei.jpgのサムネール画像


英語にすると感性は「センス(sense)」である。
センスのいいひとというのは、確かにデータ処理能力に長けている。

たとえば、素敵なレストランを知っているひとは
豊富なレストランのデータから最も優れたものをチョイスする。
ビジネスセンスに優れたひとは
余計な仕事をせずに優先度の高い仕事を迅速に処理する。

「空気を読める」こともセンスだ。

最近、空気を読む風潮を悪しきものとして批判することもある。
確かに同調圧力のような、足を引っ張り合う空気はよくない。
しかし、センスのいいひとは他人の気持ちを敏感に察する。
他人の気持ちに鈍感なひとはセンスが悪い。

空気を読む力もまたデータ処理能力であって、
人間は言語のほかに、非言語(ノンバーバル)でコミュニケーションを行う。
つまり相手の表情、感情もデータのひとつであり
センスのいいひとは一瞬の表情や仕草の変化も見逃さない。

特に接客業では、そんなセンスが最も問われるだろう。
センスのいい店員は、こちらの感情を先読みして行動を起こす。
新しい皿がほしいんだけど、と言う前に「お皿をお持ちしますね」と持ってきてくれる。
お客様の気持ちに対する感度が高いのだ。

センスのいいひとは、相手を気持ちよくさせてくれる。

では、どうすれば感性つまりセンスを高めることができるだろう。
具体的には次の5つの方法が大切ではないかと考える。


1.情報のストックを増やすこと

データが増えると、それだけ情報処理能力も高まる。
ソムリエが繊細な味を見抜くように、他人の感情を繊細に読み取れるひとは
人間の感情というデータのストックが多い。
本を読んだりひとに会ったり、
あるいは成功だけでなく失敗も含めて仕事の経験が豊富なひとは
それだけビジネスセンスが高い。
常に情報感度を磨いて情報収集を怠らないこと。
それがセンスを高める。


2.直感的に優先順位を見抜く

センスの悪い仕事をしているひとは
どーでもいい些末なことに異様にこだわり続ける。
ビジネスセンスの高いひとは、ムダを徹底的に省いて
集中すべきことに全力を注ぐ。
だから高い成果をあげることができる。
大量の情報から重要な情報を直感的に見抜くことが大切。
第6感(sixth sense)も立派なセンスだ。


3.異種のデータを組み合わせる

ジェームズ・W・ヤングや野口悠紀夫さんも書いているが
アイデアは組み合わせである。
大量の情報から異種の情報を組み合わせられるひとはセンスがいい。
「え?そういうのあり?」という驚きを与えられるひとだ。
とはいえ、ただ奇抜なだけではダサい。
要するにコーディネイトの問題で、何を組み合わせたかということに
そのひとのセンスが問われる。


4.新しいモノを柔軟に吸収する

年を取るとアタマが硬くなりがちだが
年齢が若くても自分の価値観に固執するひとはセンスが悪い。
もちろん自分なりの考え方を大事にすることは必要だ。
しかし、まったく新しい何かに出会ったときに
自分にはなかった領域の情報を受け入れられるひとはセンスがいい。
センスの悪いひとは「常識的」だ。
ステレオタイプ(定型)の思考パターンしか持たない。
ときには非常識なものも受け入れられるフレキシビリティ(柔軟性)。
そんなひとには情報も集まる。


5.センサーを磨く

同じ情報を受け取ったとしても
スルーするひとと「あ、これ面白いかも!」とキャッチするひとがいる。
特別なことをする必要はない。
日常生活の至るところにダイヤモンドは転がっている。
それをキャッチできるか見逃すかは、センサーの感度による。
センサーの感度を高めるのは「好奇心」だ。
あらゆるものを面白がれるひとはセンスが高い。
センスの低いひとは、つまらないものばかりみつけてきて
批判することに全力を注ぐ。


josei_1.jpgのサムネール画像感性を磨く方法は他にも考えられるが
とりあえず上記の5つに日頃から気を付けていれば
センサーの感度は高まり、感性を鍛錬できる。

もちろん感覚的ではないロジカル(論理的)な能力も必要だ。
しかし、これからの時代をしあわせに生きていくひとは
センスの高いひとではないだろうか。

ウェブは情報の宝庫である。
この情報の宝庫から素敵なものを見出す。

そんなエクササイズを繰り返すだけでも
きっとデータ処理能力すなわち感性は高められるはず。

(外岡 浩)

8e0db9690b4151a5dfbe4658f929cdba_s.jpg多くの起業家は、過去に積み上げた実績をカタパルト(発射台)として事業をスタートさせます。しかし、新規事業の場合、まったく実績のないゼロから始めなければならないことが多いでしょう。

新しく事業をはじめるフリーランスやベンチャーも同様です。何もない状態から、ひとつひとつの仕事を完遂することで、実績や信頼を積み上げていく必要があります。

ぼくもそうでした。とりあえず法人登記して株式会社を設立したものの、実績は何ひとつありませんでした。

もちろんサラリーマンとして働いていたので、前職までに積み上げた実績はありました。しかし、会社の看板をおろしてしまうと、その実績が通用するとは限りません。

というのは、前職までの実績は、会社という組織の中で、さまざまなひとに支えられて成果を出せた実績だから。あらためて「個として何ができるのか」をシビアに考え、明確な能力を提示しなければお金をいただくことができません。過去の実績にはリセットをかけて、個の能力で勝負していく必要がありました。

しかし、躊躇っているわけにはいきませんでした。なぜなら「やらなきゃ食っていけない」からです。

このような状況下において、ぼくが学んだことがあります。その経験を「実績のない人間が仕事を獲得するための7つのポイント」として次にまとめてみます。


+++++


■1.60%可能性があったら「やります」ということ

100%の完成度を実現することが理想ですが、多くの仕事は80%の完成度を達成できればOKをいただけるものです。したがって、実績がなかったとしても、60%「できる」見込みがあれば手を挙げる。「やります」といってしまう。そんな見切り発車が必要です。

「いや、経験がないから・・・」と躊躇していたら機会を損失します。一度損失した機会は再びめぐってくるかどうかわかりません。幸運にも仕事を頂いたら覚悟を決めて、残りの20%は努力と勉強で補います。

■2.手持ちのあらゆる機材とスキルを総動員する

いまぼくが持っているものは、パソコン2台とデジカメ3台とタブレット3台です。PCにはマイクロソフトOfficeとAdobeのCreative Cloudの会員として、Illustrator、Photoshop、InDeseinなどのデザインツール。MUSE、DreamweaverといったWebサイト制作ツール。あとは音声編集のAudition、動画編集のPremiereがインストールされています。レンタルサーバーを借りているので、MovableType、Wordpressのブログ構築ソフト(CMS)も利用できます。

これらを総動員して、できる仕事は全部やりたいとおもっています。もちろん勉強してスキルアップをはかりつつ。

■3.圧倒的なスピード

efbeacdf9956b44b4068c9713b42eb1c_s.jpgのサムネール画像のサムネール画像納期厳守は基本です。しかし、可能であれば、お客様から提示された納期の1日前には納品できるように準備しています。

というのは、新しく仕事をいただいた場合、発注いただいているお客様も「任せちゃったけど大丈夫かな?」と不安を感じていると思うからです。

もうひとつ心掛けていることとしては、ライターとして原稿を執筆するのであれば、事前に途中まで書き上げたプロトタイプを提出して、このトーン&マナーで書き進めていいか確認していただくことにしています。お客様が望んでいたものと違っていれば修正します。そして求めている完成形に近づけていきます。

発注する側にいたときにおもったのですが、仕事が早いひとに仕事をお願いしたいものです。したがって、迅速な対応を心掛けるようにしています。

■4.圧倒的な量

企画を求められた場合は、可能な限り多様なバリエーションの企画を提出します。デザインに関する仕事では逆に絞り込んだ方がいいかもしれません。お客様を混乱させるからです。

とはいえ企画の場合、ボツになったプランを検証すると、お客様が求めているものがわかってくることがあります。したがって、できるだけレンジの広い提案をする。これは「お客様の傾向を探るためのテストマーケティング」ともいえます。

■5.密な報告と連絡

ライターとしての業務の場合ですが、取材日が決まったら必ず連絡し、取材が完了したら完了報告をします。納期のスケジュールを出して進捗を報告します。仕事を頂く前には必ず見積書を提出し、費用のコンセンサスを明確にしておきます。もちろん業務委託契約書を締結することは必須です。

ある本で、社会人経験がなく学生からベンチャーを起業したひとやフリーランスのライターには、社会人としての「当たり前の常識」が欠けていると指摘されていました。逃げてしまうライターも多いとか。

法人化して仕事をしていることもありますが、信頼を築くキホンは、報告や連絡や相談を怠らないことにあると考えています。忙しさに追われて難しいこともあるのですが、原稿の完成度はもちろん、信頼を築くことを大切に考えています。

■6.常に学び続けること

厳しいご指摘をいただくこともありますが、実績も経験もないから当たり前。不満を言う前に、ありがたくご指摘を受け止め、自分のクオリティを高めることに注力します。

人生、一生勉強です。お金をいただいているお客様を批判するのは「傲慢な考え方」であると戒めることにしています。常に謙虚な姿勢で学び続けていきたいですね。そのためには、スキルを磨くための努力も怠るわけにはいきません。本を購入したり、セミナーに参加したり、自己投資も必要になります。

■7.感謝は正直に伝えること

「いやー今回の件では迅速に対応いただいて助かりました」などの言葉をお客様からいただいたら「ありがとうございます!」「嬉しいです!」とストレートに感謝を伝えるようにしています。

「いやいや、それほどでも・・・」「未熟ですみません」みたいな謙遜はしないほうがいいとおもいます。謙遜のつもりであっても、なんとなく傲慢に聞こえたり頼りなく聞こえたりします。ちなみにメールで伝えるときは、最後の「!」が結構大事だったりします(笑)


+++++


いかがでしたでしょうか?

フリーランスや起業した方に、何かの参考になればとおもって書いてみました。というよりも、今後ぼくが仕事をしていくにあたっての基本姿勢の確認でもあります。

上記の7項目を守るように努力して、「期待を超えるクオリティ」の仕事ができれば、と考えています。

(外岡 浩)

「チャンスの女神には後ろ髪がない」と言われます。こんな感じでしょうか。i Pad mini の「Paper」というアプリで描いてみました。


content.jpg


なんだかアヴァンギャルドな女神さまですね。パンクとか前衛美術とかやってそう。

「チャンスの女神様は珍しい、希少価値だから気を付けなさい」ということではなく、「チャンスはあっという間に過ぎ去ってしまうので、前髪を掴むようなことはできても後ろ髪は掴めない、だからしっかりと好機を逃さないようにしなさい」という意味です。

ネットで調べてみると、この言葉の元となったモデルはギリシア神話にあり、女神ではなく少年の神様のようでした。彼の名前は、カイロス( Καιρός, Wikipedia:カイロス)。前髪が長く、後ろ髪は短い美少年です。そして「瞬足」は履いていませんが、両足には翼が生えているそうです。だからきっと飛ぶように速く走ることができるのでしょう。この神話のことをレオナルド・ダ・ヴィンチがローマ神話の女神と勘違いして使ったため、女神として広がってしまったとする説もあります。

カイロスはギリシア語で「機会(チャンス)」を表すようです。ギリシア語には時を表す言葉がふたつあり、一瞬の時間は「カイロス」であり、過去から未来に流れ続ける永遠の時間は「クロノス」とのこと。

「一期一会」という言葉もあります。「いま」という時間は一生に一度きりのものであり、二度と訪れることはありません。だからこそ出会ったひとたちと過ごす時間を大切にして、一生に一度の機会を大切にしましょうということです。こちらは茶道の言葉で、千利休の弟子である山上宗二が「茶湯者覚悟十躰」に書き記しています。

ビジネスの分野では、First-Mover Advantage ということも言われます。要するに「先手必勝」であり、市場を真っ先に切り拓いた企業が先行者利益を得るということです。

例えば、日清食品の「カップヌードル」はカップ麺という新しい市場を切り拓いたことで不動の地位を得ました。新領域を切り拓いた企業のメリットとしては、話題性があるためにメディアなどで取り上げられやすく、広告宣伝費用を抑えられます。また、一度築きあげたブランドやシェアを追随する企業が覆すためには多大な労力が必要なため、独占的な地位を築くことができます。先行者にはノウハウが蓄積しやすいというメリットもあります。

もたもたしているとチャンスはあっという間に過ぎ去ってしまいます。いまを大切にして、訪れた好機を着実に掴んでいきたいものです。

(外岡 浩)

BOOKS

以下のムックおよび書籍で原稿を書かせていただきました。

4800249368天皇家の食卓と日用品 (TJMOOK ふくろうBOOKS)
宝島社 2015-12-04

by G-Tools

4800246660月とこよみの本
林 完次
宝島社 2015-09-18

by G-Tools


詩の電子書籍です。

B00CPQ6MM2天秤座の彼女 (ポエムピース電詩文庫)
マツザキヨシユキ 外岡浩
株式会社ソーセキ・トゥエンティワン 2013-05-08

by G-Tools

B00CXACOIG小峰に纏わりつくネコ (ポエムピース電詩文庫)
マツザキヨシユキ 外岡浩
株式会社ソーセキ・トゥエンティワン 2013-05-20

by G-Tools

DTMアーカイブス



自作曲弾き語り

ネバー・エンディング・ストーリー(THE NEVER ENDING STORY Cover)