新緑の季節を過ぎて、木々の色が濃くなった。

天気のいい日には、
ときどき近所の公園でランチをする。

サブウェイのサンドイッチをひとつ、
350mlの缶ビールを2本。
商店街で調達して公園に訪れる。

木漏れ日の下で味わう
サンドイッチとビールがうまい。
無邪気に遊びまわる子供たちが可愛い。

気持ちがいいので、
そのままベンチでMacBook Air を開いて
スマホとテザリングして
調べ物や仕事をはじめてしまう。

ところがふと気が付くと、
保育園や幼稚園が終わって
周囲はお迎えのママさんと子供たちで
いっぱいだったりする。

場違いな自分は
いたたまれなくなって退散(苦笑)

ところで、緑はもちろん空の青など
ぼくらの世界には色彩があふれている。

しかしながら、この色彩を
きちんと認識できないひともいる。
色盲の方々だ。

私事で失礼するが、亡き自分の父も色弱だった。
赤い色などがグレイに見えてしまう、そんな風だったと記憶している。

色が見えにくい方に、カラフルな世界をみせるために
特殊なメガネを開発しているひとがいる。

YouTubeで紹介されているので動画を。



あるキュレーションサイトで紹介されていたのだが
以下の動画も感動的だ。

はじめて色彩のある世界を体験したお父さんは
感極まってうずくまって泣いてしまう。



グーグルグラスのように
「オーケー、グラス!」と呼びかけると機能するようなガジェットじゃない。
あるいは、AR(拡張現実)をみせる大袈裟なゴーグルでもない。

しかし、色盲のひとにとっては世界を
そして人生を変える、かけがえのないツールである。

こういう研究開発を地道に
しかし着実に実現しているひとは素晴らしい。

仕事ではライティング(原稿書き)はもちろん
デザインも手掛けることがあるので、色について究めたくなった。
そこで図書館で色に関する本を借りてきた。

というのも、水野学氏の『センスは知識からはじまる』という本で
センスは後天的なものではなく、知識を蓄積することで
向上させることが可能ということを学んだからだ。


4022511745センスは知識からはじまる
水野 学
朝日新聞出版 2014-04-18

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色についてセンスをアップさせるのであれば
まず色の科学的特性、色彩学、そしてアートなど
あらゆる色の知識を学び、色に接する機会を増やすことが
重要じゃないか、と考えた。

もちろん美術館に足を運んで
実際に絵画を鑑賞することも重要である。
「なんとなくこの色が好きかも」という感覚に頼っているだけでは
色彩感覚は磨けない。

いろんな本を借りてきたが
『カラー版徹底図解 色のしくみ』は少年心をくすぐる。


4405106789徹底図解 色のしくみ―初期の光学理論から色彩心理学・民族の色彩まで (カラー版徹底図解)
城 一夫
新星出版社 2009-03

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色についてのさまざまな知識が
科学的な側面から心理学、文化まで網羅されている。

光が電磁波の一種である、ということに
なぜかよくわからないが「そうか!」と感銘を受けた。

共感覚と呼ばれる能力を持つ方々がいらっしゃって
音や文章に色を見る。

光も音も波動であるならば
音の波動に色を見ることもあるだろう。

過去に読んだ本ではあるが
共感覚については、次の本が衝撃的だった。


4569771092音に色が見える世界 (PHP新書)
岩崎 純一
PHP研究所 2009-09-16

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きちんと世界の色彩を認識しているつもりでも
もしかすると識別できない色があるかもしれない。

フェイスブックで教えていただいたのだが
以下のようなサイトも興味深い。

見える色の数が、人によって違う!?4人に1人しか分からない「カラーテスト」にチャレンジ!

最近、稲盛和夫氏が私淑されているという
安岡正篤氏の『人生は自ら創る』という本を読んだ。
この本で、京都西陣の優れた染色職人は、
色を2万通りに見分けたと書かれていた。


4569761216人生は自ら創る (PHP文庫)
安岡正篤
PHP研究所 2013-12-04

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ワインのソムリエが味の違いを舌で見抜いたり
フレグランスの調香師が、かすかな匂いを嗅ぎ分けるように
職人となって五感を研ぎ澄ませると
びみょうな差異にも敏感に「分ける」ことができる。

「分かる」とは「分ける」こと
という指摘もどこかで読んだ。
AとBの差異を感知できなければ「分からない」。
緑はただの緑ではない。厳密には、さまざまな緑に分けられる、

という観点から面白いとおもった本は
これも城一夫氏の本ではあるが、『色の知識』だ。


486152251X色の知識―名画の色・歴史の色・国の色
城一夫
青幻舎 2010-05-25

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名画の色、歴史の色、国の色として
さまざまな色のサンプルを提示している。
色とその時代、画家、国家の文化のコンテクスト(文脈)が
解説されている。

感覚的ではあるが、ぼくが歴史の色として
いいなと思った配色は時代の色だ。

まず、古代クレタの色。
ルネッサンス。
淡い色としてはトロピカル・デコ。

画家の色は迷うところだが
ヨハネス・フェルメールの配色は、あらためていいとおもった。
光にこだわった画家である。

そういえば画家のパレットを
公開している記事も読んだ。
パレットそのものがアートであり、絵画と通じる。

Photographic Portraits of Famous Artist's Paint Palettes by Matthias Schaller

ビジネスの側面から考えると
ブランドカラーは企業にとっては重要である。

IT関連企業の仕事が多かったのだが
どうもIT関連企業といえば「青」を使いたがる傾向が多い。

というのは「青」は理知的な印象を与え
クールだからだ。

しかしながら、あらためて考えると
「IT関連だから青でいきましょう」
と提案するデザイナーは、思考停止している気がする。
なーんも考えてないだろ?

ぼくも会社を立ち上げた当初は、
サイトの色を青を基調にしていた。

しかし、途中からオレンジ、イエロー、グレイを
基調にするようになった。

なんとなく選んでしまったのだが
分析すると(理屈を後付けすると。苦笑)
オレンジは生まれ育った静岡県の蜜柑の色であり
得意とするソフトウェアPowerPointのアイコンの色でもある。

要するに、何気なく選んだ色のなかに
これまで蓄積してきた人生と趣向が潜んでいたのだ。
センスというのはこういうものかもしれない。

もう少し意味付けをするならば
オレンジが持つ「あたたかさ」あるいは「陽光のような活力」を
自社のブランドカラーにしたかった。

理知的であったりテクノロジーに詳しいのは
ある意味、自分にとっては前提条件であると考えている。
当たり前なのだ。そうあることは必須。
だからこそ、その色ではない色を打ち出したかった。

また、オレンジはマンセル表の色相環で
180度反対側のブルーの補色になり、
IT系のブルーを引き立たせる色である
と考えることもできる。

とはいえ、PowerPointのプリセット色を利用していたが
あらためてきちんとブランドカラーの定義をしたいと考えた。

色について検索していて面白いと感じたのは
「PLUSCOLORn(プラスカラン)」というサイトだ。
自然界、人工物、CDジャケットなど
さまざまな色と配色を検索できる。


■PLUSCOLORn(プラスカラン)
http://pluscolorn.sub.jp/index.php
150615_pluscolern.png


また、日本の色については「和色大辞典」が参考になる。
緑といっても「萌葱色(もえぎいろ)」「翡翠色(ひすいいろ)」など
さまざまな名称があり、ブンガク的でもある。
色の名前を知っているだけでも、教養になりそうだ。


■和色大辞典
http://www.colordic.org/w/
150615_wasyoku.png


いろいろ色を検討した結果、
ソーセキ・トゥエンティワンのブランドカラーは
クレタ・オレンジ(R:241G:137B:1)
カドミュウムイエロー(R:255G:238B:71)
ゲインズボロ(R:220G:220B:220)
がいいかな、とぼんやり考えた。
しかし「何で?」という裏付けがいまひとつ。

むしろ和色の
蜜柑色(みかんいろ:R:240 G:131 B:0、C:0% M:45% Y:100% K:6%)
向日葵色(ひまわりいろ:R:252 G:200 B:0、C:0% M:21% Y:100% K:1%)
灰青(はいあお:R:192 G:198 B:201、C:4% M:1% Y:0% K:21%)
がわかりやすい気がする。
どこかのタイミングで統一したいのだが。

色は「色香」と呼ばれるように
セクシーなものでもある。

これは、ぼくの感覚に過ぎないが、
ダニエル・ピンクなどの著書から得た知識を下敷きに考察すると
これからの企業は論理的な側面だけでなく
「いかにデザインがセクシーか」ということが
求められるのではないか
、と感じている。

そういえば、Perfumeに
「MY COLOR」という名曲があったっけ。



ブルーカラーとか、ホワイトカラーとか
職業を色で表すこともある。
未来は灰色だと言ったりもする。

とはいえ、あなたの色は
たとえグレイだったとしても
みんなと同じ灰色ではないはずだ。

ちょっと青みがかっていたり
どこかしら暖色系が混じっていたり
グレイッシュパステルの
大人の華やかさがあるかもしれない。

2459b3974cc33d52e5efae2a4363a7c6_s.jpgちなみに、いまELジェイムズの
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の
上巻を読み終わったのだが
あまりに官能的なストーリーで
くらくらしている。

ロマンスグレイのおじさんというのも
憧れています。

グレイ(灰色)という名称だったとしても
そういう年齢の重ね方は、いいとおもう。

(外岡 浩)

プリンタを買い換えた。
キヤノンのPIXUS MG7530。


B00N3F47QMCanon キヤノンインクジェット複合機 PIXUSMG7530BK ブラック
キヤノン 2014-09-04

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以前にはやはりキヤノンのip4100を使っていたのだけれど
・かなり古くなってしまったこと
・スキャナが付いていないこと
・息子たちがプリントする必要があったこと
ということで購入。

10年間ぐらい、プリンタを買い換えずに使ってきて
最新の機材を購入および使ってみて驚くことがたくさんあった。
情報化社会の浦島太郎である。

まず、驚くほどの低価格。これはおそろしい価格破壊だ。

某家電量販店で購入したのだが、
ポイントを700円分ぐらい充当して16,740 円なり。

純正インクが約5,000円だったので
インクを買い換えるなら
本体買っちゃったほうがいいぐらいだ。

次に、さりげなく導入されているさまざまな最新技術。

無線LANでつなげることが便利。
配線がごちゃごちゃしなくてすっきりする。

NFCを読み取るので、スマホやタブレットをかざすだけで印刷可能。
いちいちケーブルを接続する時代は
終焉を迎えているのかもしれない。

ファームウエアを無線LANの通信経由で
アップデートすることもできる。

イーロン・マスク氏の率いるテスラモーターズが
クルマの不具合をネット経由でアップデートする時代なわけだ。

IoT(Internet of Things :モノのインターネット)が進展して
いまにアップデートできないのは
人間ぐらいになってしまうなあ、と苦笑した。

ちなみにIoTに関しては、日本テレビ「SENSORS」
女性クリエイター対談の書き起こしがlogmiに載っていて面白かった。

Rubyの女神とも呼ばれる池澤あやかさんが
金魚の水槽にセンサーを取り付けて、
水温が熱くなると「死にそう......」とつぶやく仕組みを
作った話に笑った。

ギーク女優・池澤あやか、IoTの魅力は「植物とか金魚と会話できるところ」-女性クリエイター座談会

ところで。
PIXUS MG7530を購入してから
フェイスブックの右側にあるフェイスブック広告に
PIXUS MG7530の広告が出るようになった。

いや、もうこれ買っちゃったもん、とおもっていると
次には安い機種を表示する(苦笑)

なんだかなあとあきれていたところ、
さらに安い機種を表示してきた。

ひょっとしてバカにしてますか?

Amazonのおすすめ機能が代表的だが
これらはレコメンデーションエンジンと呼ばれる
インターネットの閲覧や記載の履歴をもとにしたデータベースから
推測して表示される。

広告の場合は、DSP広告と呼ばれる仕組みがある。
DSPとは、Demand Side Platformの略で
要するに不特定多数にムダな広告を配信するのではなく
需要(Demand)があるターゲットを選別して
広告効果を最大化、効率化する。

文字からみると一見、消費者に合わせた広告のようにみえるが
DSP広告の需要があるのは広告主だ。
ムダな広告は打ちたくないよね、という広告主のご都合だ。

しかしだな、買っちゃったものを表示しても効果がないだけでなく
何度も何度もレコメンドされちゃうと気分が悪くなる。

だから、アドテクノロジーは嫌われるのだ。

現在のこうした人工知能(AI)の問題は
「空気が読めない」ことに尽きる。

広告を「土足マーケティング」と呼んだのは、
セス・ゴーディンだった。
もう10年以上前の本になるが、以下に書かれていた。


4881358057パーミションマーケティング―ブランドからパーミションへ
セス ゴーディン Seth Godin
翔泳社 1999-11

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現在のアドテクノロジーは
データベース上の履歴や記載から推測するが
人間の気持ちまで読みとる精度は、現在のところはない。
だから「土足」で踏み込んでくる。

だが、最近ネイティブアドに対する批判が高まっているが
「広告なのに広告じゃないようにみせる」人為的な工作をするより
まだ機械のほうが、ある意味、誠実ではないかとも感じる。

補足すると、ネイティブアドとは
各メディアが記事の体裁で配信する広告のことで
インフィードなどさまざまな形態があるが
主要なものは、過去の広告でいえば「記事広告」だ。
言い切っちゃうけれども。

かつて新聞や雑誌などのメディアでは
スポンサーがお金を出して掲載している記事体裁広告は
「PR」や「提供」などきちんと記載をして
「これは記事のようですが広告ですよ」と明示していた。
消費者を惑わせないためだ。

それを一部のデジタルメディアが
「PR」や「提供」を抜いて記事のように見せかけたことが
議論されている。

いっとき問題になった
ステマ(ステルスマーケティング)まがいだということで
眉をひそめたり、怒り狂っているひとがいる。

が、しかし。
消費者からすると、どーでもいいことのようにもおもえる。
なにをそんなに騒いでいるのだ?と滑稽にみえる。

いかにも「買ってくれ!」ビームをびしばし感じるものは
広告だろうが編集記事だろうが、ちょっと引く。

とはいえ、いいものを真摯に丁寧に紹介しているコンテンツに関しては
広告だろうが編集記事だろうが、ふむふむと読む。
それを買うかどうか判断するのは読者(消費者)である。

まあ、早い話がスポンサーがいるなら
「広告」って書いちゃうのが誠実で、それだけのことでしょ。
書けばいいじゃん。誤魔化さずに。

ブランディングは企業と消費者の信頼のきずなであり
企業側から何を発信するかが重要ではなく
消費者のなかに蓄積された信頼が重要になる。

これは『ブランド・マインドセット』という本に書かれている。
誠実さは大切。


4881358669ブランド・マインドセット
デューンE. ナップ Duan E. Knapp
翔泳社 2000-08

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脇道にそれました。広告の話はおしまい。

いまは「空気を読めない」人工知能だけれど
いずれは、学習して精度を上げることで
もしかすると心に刺さるようなオススメをするようになるかもしれない。

そのための技術のひとつが
「機械学習(machine learning)」だろう。

たとえば、ご存じのひとも多いかもしれないが
マイクロソフト社が構築した
年齢と性別を当てる「How-Old.net」が話題になった。

マイクロソフト社の開発者向けイベント
「Build 2015」の基調講演でAzureのデモとして紹介され
Azure Marketplaceの顔認識API、PowerBI、Azure Stream Analyticsを使って
構築したそうだ。

Microsoftの顔写真での年齢/性別当てサイトが人気に(Azureのデモで)

「やだ、私ってばまだ20代?!いや~ん」
女性をよろこばせるために、女性の顔を判別したときには
ちょっと年齢を低めに表示するような
アルゴリズムがあるんじゃないかと邪推する(笑)

Azureのクラウドベースの機械学習は「Azure ML」で、
雌牛の発情期を予測して出産頭数を増やすなど
畜産業でも活用されはじめているという。

牛も「コネクテッド」に--機械学習の力が分かる3つの活用事例

こうして人工知能が発達すると
ある時期にテクノロジーが人間の知性を超えてしまう
そんな時代が到来するかもしれない。

ツイッターで教えていただいたのだが
「シンギュラリティ(特異点)」というらしい。

茂木健一郎氏がGLOBIS 知見録で10分間で60枚ものスライドを駆使して
シンギュラリティを含めた人工知能について解説されている。

テンションの高さに圧倒されるが、このプレゼンは凄い。



シンギュラリティに興味が沸いたので
Amazonでレイ・カーツワイルの本を購入した。


4140811676ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき
レイ・カーツワイル 井上 健 小野木 明恵 野中香方子 福田 実
日本放送出版協会 2007-01

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図書館で借りていたのだが、あまりの分厚さに読み切れずに
返却してしまった。しかしやっぱり読みたいので購入。
めっちゃ分厚いのだが面白い。

人工知能の発達を危惧する知識人も多い。
スティーヴン・ホーキング博士をはじめイーロン・マスク氏もそのひとり。
コルタナを開発するマイクロソフト社を創業した
ビル・ゲイツ氏も警鐘を鳴らした。

まさにSFのような状況だ。
21世紀っぽい。いや実際に21世紀なのだが。

スパイク・ジョーンズ監督の『her』という映画のように
人工知能に恋をしてしまうことも現実にありそうだ。



やがて人工知能は
知性だけでなく感性を
そして感情を持つようになるかもしれない。

しかし、そのとき人間の優位性は
生身のからだを持っていることではないだろうか。

五感がデータ化されてクラウドに蓄積されたとしても
いま、自分が感じているクオリア
つまり感覚は自分だけのものだ。

150510_aozora.jpgあなたがあなたであること。
それはいま感じている空の青さだとか
空気のすがすがしさだとか
おいしいご飯だとか
あったかい誰かの掌にある。

だから、カラダを大切にしたい。
というのはそれが人間独自のものだカラダ。

とかなんとか。
お後がよろしいようで。

(外岡 浩)

サクラが咲いたかとおもったら散ってしまった。
短い命であった。

毎年サクラは咲く。しかし、
今年花をひらいたサクラは去年のサクラではない。
そして来年もまた違う花をひらく。

四季は繰り返される。
だが、一度として同じ風景はない。

風景は個々人の感情とともにある。
卒業式の日、あるいは入学式や入社式のときに見たサクラは
そのときの一回きりのものであっただろう。

人生は1日あるいは1分1秒が一回性のものであり
二度と同じ時間が繰り返されることはない。

刹那は繰り返されることがないから
せつない。

そのせつなさを抱えながら
ぼくらは先に進むしかない。

時間を巻き戻すことはできない。
人生にやり直しはない。
あるとすれば、まったく新しい人生をはじめることだ。

自分の人生を生きよう。ていねいに。

今年のサクラを記憶にとどめておくために
いくつかぼくの拙い写真を。


150406_sakura1.jpg

150406_sakura3.jpg

150329_yozakura_1.jpg


新入社員の姿に混じって
真新しいスーツに身を包んだ就活の学生をみかけるようになった。
なんとなくぎこちない所作も感じるけれど
真剣なまなざしが、いい。

就活に関しては、ちょっと古いのだが
こんな記事を読んだ。

経済の死角
「この国はきっと滅びる!就活のバカたち 学生もバカなら、面接官も大バカ」

もちろん実際に、そういう状況はあるだろう。
しかし、こんな記事を書いて煽るマスメディアがいちばん愚かだ。

批判だけで、どのような国にすればいいのか、
未来を構想する思想がない。空っぽだ。
だから「マスゴミ」と呼ばれるのだ。

こんな記事に同調したり、憤ったりしていることこそ
バカらしい。ゴミはゴミ箱にぽい、だ。

不安を感じるひとがいる。
そして、不安につけこんで食い物にするひとがいる。
さらに食い物にされて大金をはたいて、表層ばかり繕おうとする。

面接で「1億円もらったらどうしますか?」という問いをする企業が多いようだが
グーグルやマイクロソフトなど外資系の大手企業の面接で使われる
「全国にピアニストは何人いますか?」という
フェルミ推定のような論理的思考力を問う質問の
さるまね
だと考える。


4492555986地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
細谷 功
東洋経済新報社 2007-12-07

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ところが、思考力を問うのではなく、
ただ夢を語らせるだけの内容になっているところが陳腐だ。
こんな質問をする面接官の低レベルさを
学生たちは失笑して構わない。

もし面接でこんな質問を出されたら
「御社は一流の企業だと考えて志望いたしましたが
そんなくだらない質問をされるとは思いませんでした。
失望いたしました。志望を辞退させていただきます」

といって、その場で席を立つぐらいでいい。

そんな面接をする人事担当者のいる会社は
たかが知れている。だいたい無能な上司がのさばっていて
仕事ができないのに雑談ばっかりしていたりする。

「おい、宝くじ当たっちゃったらどうする?」
みたいに仕事の努力は放棄して、ギャンブルみたいな夢ばかり
追いかけている会社だろう。

どんなに著名企業でも、そんな会社に勤めたら
人生のムダ遣いなので考えたほうがいい。
ブラック企業よりタチが悪いのは、大企業病に蝕まれた会社だ。

とにかく、自分が迷子になっているひとが多すぎる。
その迷子につけこんで、就活本やらセミナーやらで金を稼ごうとしたり
迷って悩んでいるひとに媚びて若者から人気を得ようとするような
ハイエナみたいな輩がわらわらと湧いている。

自分なんて探さなくても、ここにいるでしょ。

ぼくの私見に過ぎないが
述べておこう。

人生、あるいは就活において大切なことは
自分探しではない。他人探しだ。

部活やサークルでリーダーやっていましたとか
海外でいろいろと学びましたとか
そんなことはすべて「過去」の実績であり
クズみたいなものだ。

大切なことは、未来に何をしたいか、どんな人生を生きたいかということであり
そのヒントは自分ではなく他者、そして他人のなかにある。

抽象的でわかりにくいとおもうので
具体例を挙げてみる。

自己研究は最低限、過去の経歴の整理だけしておいて
志望先の「企業研究」および「業界研究」に注力するのである。

当然、社会経験のない学生たちには難しいだろう。

しかし、志望している企業で、
あなたたちは人生の大半(あるいはわずかであっても数日)を
費やさなければならない。

自分にふさわしい職場なのか?ということを
リスクも含めて研究する。

経験がないからこそ「想像力」が求められる。

企業のドメイン(主な事業領域)は何か。
業界全体において志望先企業のポジションはどこにあるのか。
志望先企業は成長性があるのか、安定性があるのか。
女性であれば子供が生まれても働けたり育児後に復帰できる環境にあるのか。
そんなことに想像力を働かせる。

尊敬する稲盛和夫氏は、新規事業や新製品の開発にあたって
寝ても覚めてもそのことを考え続け
完成形が「カラーで」見えるまで考え抜くことが
重要である
と説かれている。

KDDIの事業をはじめるときにも
「うまくいかない」という批判に動じずに
明瞭にイメージを描いたからこそ実現したと述べられている。

就活のために宴会芸みたいなスキルを磨いたり
芸能人みたいに写真加工で美白に注力していないで
自分ではなく、社会そして世界に目を開きなさい
と、ぼくは言いたい。

というのは、ぼく自身が狭い視野しか持っていないこと
無知であることを常日頃、深く自省しているからだ。

就活は
社会を知るためのいい機会だ。
もちろん内定を取ることは大切なことだが
内定がゴールではない。
そこからハードワーカーとしての長い長い生活がはじまる。

だから、社会を知るチャンスとして就活を
「利用」しちゃえばいい。

社会に出ると当然、競合他社を訪問することなんて難しくなる。
ところが、就活の時期なら縦横無尽にさまざまな企業に出入りできる。
それぞれの企業を訪問して感じたこと
面接官がお話いただいたことは
大きな「学び」となるはずだ。

「知性とは、どんなにつまらないものからも
ダイヤモンドをみつけだす能力」

ともいえる。

あなたが訪問先企業をつまらないと感じたら
もしかすると、あなたがつまらない人間だからかもしれない。
自分の感性が劣化しているのか、ほんとうに訪問先企業がつまらないのか
そのことを深く考えるだけでも成長の契機になる。

018_s.jpg大学を卒業したら勉強はおしまい、
というのは大きな間違いで
実はそこから勉強は、はじまる。

社会人として、日本人として、
世界の一端を担うひとりとして。

人生は、学びの連続だ。
無知であり続ける限り成長もある。

就活する諸君にエールを送りたい。

うまくいくといいね。
でも失敗しても、きっとあなたは大丈夫。

(外岡 浩)

法人、つまり株式会社としてソーセキ・トゥエンティワンを設立したのが
2013年3月21日。もうすぐ2年目を終え、3年目を迎える。

会社名がトゥエンティワンなので21日にこだわりたかった。
そのためだけに法人登記を急いだのであった(笑)

4月21日でもよかったんだけど
「3・2・1・GO! 」みたいな日付で、なんか気持ちいいじゃないですか。
いま考えると何も考えてなかったなあ。ノリだけだ。

ぼくは「起業しよう!」とおもって会社を設立したわけではない。
起業せざるを得ない状況にあったからだ。

当時、ぼくは失業者だった。
30社以上の企業に履歴書を送付して
ことごとく落ちた。絶望的だった。

家入一真さん的にいえば「居場所」がなかったわけだ。
しかし「居場所がないなら居場所を創ってしまえ!」ということで
精神的に追い込まれた状態で
活路を見出すべく創った会社だった。

会社を創るってどういうことかな?
ということを一生のうちで一度、
経験してみるのもいいか、とも考えていた。

とりあえずスタートは
個人事業主でもよかったのかもしれない。
当時その選択肢は眼中になかったけれども。

多くの中小企業は、3年以内にその8割が廃業する。
そんなことを本で読んだ記憶がある。

何とかしなきゃ!で創った会社だけれど、
最近は思い入れが強くなって、何とか存続させなきゃ!と
考えるようになり、いま融資を視野に入れつつ
税理士さんのアドバイスをいただきながら
事業計画書などを書いている。

痛感するのは
自分には起業家とか経営者のセンスってないかもなあ(涙)
ということだ。いやはや、まったく。

最近、為末大さんの『諦める力』という本を読んだ。


4833420481諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉
為末 大
プレジデント社 2013-05-30

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為末さんは陸上競技のアスリートで
100メートル走という陸上の花形を諦めて
あえて400メートルハードルという分野で成果を出した。

「諦める」は仏教では「明らめる」であり
自分を客観的に見据えるポジティブな考え方であるという。

努力しても叶わない世界がある、と為末さんは言う。
であれば、戦わずして勝つ世界で勝負しろ、と。
マーケティング的にはブルー・オーシャン戦略かもしれない。

とはいえ、努力せずに諦めるのは、いかがなものかとおもう。
安直すぎるじゃないですか。

努力だけでなんとかなるほど世間は甘くない。
企業法人の維持、経営には才能が必要ということは
誰に言われなくとも重々感じている。

しかし、センスや才能がないなら、みっともないほど愚直に努力して
それでもダメなら諦めるしかないけど、いまはまだその段階ではなく
足掻けるだけ足掻いてみようと考えている。

そんなわけで、事業計画書に
ぴりぴりと敏感になっている昨今。

ふと目に飛び込んできて、これはすげー!とおもったのが
大塚家具の社長、大塚久美子氏の中期経営計画だ。

実の父親との確執で話題にもなったようだが
久美子氏が中期経営計画を発表した後に、
株価が急騰したことでも話題になった。

と、話題を振っておいて脇道に逸れます。

スケールがちいさくなるけれど
「企画書の書き方、プレゼンの仕方」について再確認したい。

企画書には基本的な構成がある。
例えば、プロモーションの企画書であれば次のような感じだ。

01.与件の整理
02.市場背景、外部環境の分析
03.製品またはサービスの強みと弱みの整理
04.基本戦略、企画の方向性
05.ターゲット
06.コンセプト
07.プロモーションの全体構造
08.具体案
09.運営体制
10.展開スケジュール
11.概算予算

2と3はいわゆる「SWOT分析」と呼ばれるもので、
多くの場合、企画書の構成は上記を網羅して作成される。
事業計画書については、また少し違ってくるのだが。

場合によっては戦略的に
最初に予算を持ってきちゃうとか、
いきなりコンセプトからはじめちゃうとか
奇を衒った構成もあり、である。

結局何なの?と早急に知りたいスティーブ・ジョブズみたいな(笑)
お客さまの場合は結末から語るのがいい。
ただ、日本企業の場合、演繹的に説得するのが一般的だろう。

また、前半部分は一方的に語るのではなく
「こういうことでしたよね?どうおもわれます?」
と相手と対話(コミュニケーション)する場としても必要になる。

一般的にプレゼンは、プレゼンテーターが
一方的に提案するものと考えがちだ。

ところが実は一方的に聞かされているだけのお客さまは
フラストレーションをためていることがある。
お客さまだって話したい。
そこで、最初にお客さまと対話することが大切だと考える。

また、前提部分で納得していただければ
スムーズに企画に同意いただける。

「いや、そうじゃないんだけど」と否定された場合は
その後の企画の持っていき方を、即興でアレンジしなければならない。
ただ、後者の場合、お客さまの理解が不完全だったということで
プランナーは反省すべきでもある。

プレゼンは、コミュニケーションなのである。

だいぶ脇道に逸れました。
ええと、大塚家具の中期経営計画の話でした。

この中期経営計画が優れているのは
分析から具体案の施策まで一貫して戦略が先鋭化され
さらに組織体制の布陣も明確化されていることにある。

分析・施策・組織体制の部分を
公開されているPDFから見ていきたい。


1.分析

第一に日本の家具消費トレンドが
「まとめ買い需要」から「単品買い需要」に推移していることを指摘。

h27-2-25_Page_05.png

新築住宅の減少という外部環境も分析に入れている。

h27-2-25_Page_08.png

一方で内部環境の分析として、販売スタイルやブランディングが
「接客に抵抗がある」「高そう」という課題を抱えていることにも触れる。

h27-2-25_Page_06.png

そして、市場構造の変化をIKEAやニトリという競合と比較して
ポジショニングし、中価格帯に再流入する見込み客を
得るべきであることを強調する。

h27-2-25_Page_09.png


2.施策

上記の背景の分析を踏まえて、施策に対しては2つに注目した。

第1は、大型店の出店を「北海道」「千葉」「大阪・梅田」という
商圏人口がありながら出店がない地域に絞り込むこと。
ランチェスター戦略でいえば、局地戦だ。

h27-2-25_Page_12.png

第2は、ユニークな専門店の設置。
住のなかで眠りに特化した「Good Sleep(ぐっすり)Factory」は
ネーミングも秀逸であるし、ぼくも行ってみたいぐらいだ。
照明に特化した「Lightarium-ライタリウム-」は
プラネタリウムにかけた造語だとおもわれるがセンスがいい。

h27-2-25_Page_13.png
※著作権等を考慮し、イメージ画像は削除しました。


3.組織体制

このような施策を実行する組織として
社外取締役と監査役の候補のスキルセットをマトリクスで表している。
ダイバーシティも考慮して、9人のうち2人は女性だ。
個人的にはもっと女性役員を増やしてもいい気がする。

h27-2-25_Page_25.png

大塚久美子氏の中期経営計画は見事だとおもった。
感動した。

しかしながら、お客さまとの打ち合わせのときに
雑談でお話ししたところ別の視点もいただいた。

久美子氏は新築需要が減っていることを挙げているが
そのお客さまのご友人が新築の時に、家具を選んでいて
ものすごく悩まれたそうだ。

照明はいろんなものがあり過ぎて、何がよいかわからない。
しかし、大塚家具に行ってショールームをみて
「こんな感じの部屋がいい」と社員に希望を伝えると
その通りにコーディネイトしてくれるので非常に便利だという。

そんなトータルコーディネイトができる家具屋さんは
大塚家具しかない、とのこと。

そこで考えたのだが、久美子氏が徹底的に攻撃する
親父さんの経営戦略にも、あながち問題ばかりじゃない。
そのサービスに感謝しているお客さまもいる。

なので僭越ながら考えたのは
「父親と娘で経営のことで親子喧嘩なんかやめて和解して、
大塚家具は、親子双方の経営者の良さを
共創的に経営に生かしたらいいんじゃないか」
ということだ。

ひじょーに余計なお世話ですが。

+++++

ビジネスは人間が行うものである以上、
論理だけでなく、感情など
複雑な文脈(コンテクスト)が絡み合う。

教科書やマニュアル通りに
いかないものであり
正解も、ない。

独立なんかしないでサラリーマンがいいよ
といわれたら、その通りだとおもう。
いまを生き延びることでせいいっぱいで
現在、ぼくには余裕がない。

しかし、自分の会社を立ち上げることで
とてつもない学びがあった。
自由も感じている。
ささやかだけれど、しあわせでもある。

人生、楽しんじゃったもの勝ちだ。
挫折も失敗も恥も
楽しさの一部。

さて、仕事でもしますか。
深夜なんですけど。


150307_image.jpgぼくにはワークライフバランスなんてない。
どこから趣味で、どこから仕事なのかもわからない。
18時間ぐらい働いていることもあるから
とんでもないブラック企業ともいえる(笑)

しかしながら、
いま充分に満足しているし
ハッピーだったりする。
それでいいや、とおもっている。
いや、それがいいな、と。

人生はみずから選ぶものであり
このツラさも楽しさも自分で選んだものだ。

(外岡 浩)

2015年が幕を開けた途端、風邪をひいてしまった。

晴天の霹靂というか、
夕飯の買い出しに出て戻ってきたところ、
まず、くしゃみが止まらなくなった。

20発ほど連続しただろうか。
はーなんだこりゃと、くしゃみの嵐がおさまったところ
ぼくは風邪のひとになっていた。

高熱っぽい。喉が痛む。
しかしながら手元に体温計がないから
どれぐらい熱があるのか、まったくわからない。


Screenshot_2015-02-05-04-38-19.pngのサムネール画像発熱といえば、だ。
手持ちのスマホがすぐ「発熱」するのである。

「CLEAN MASTER」という
ユーティリティアプリを入れているが
気が付くと「57℃ 内部温度が高すぎます」と
叱られてしまう。

あまりに高温になりすぎると機能が制限されるようで
夏場には、写真を撮ろうとしたら
筐体が高温すぎて
カメラ機能が使えないことがあった。

布団に寝込みつつ
携帯電話を脇にはさんだら熱が測れたらいいのに
と、おもった。しかしながら、そういうセンサーを
搭載した機種はいまのところないようだ。

しかし、いずれはそんなこともできるようになるかもしれない。

4月には登場すると言われている
Apple Watch」をはじめとして
ガジェットやアプリによるヘルスケア機能の充実がめざましい。



Apple Watchでは消費カロリー量の目標を示したり
加速度センサーにより運動量を測定できる。

また、座りっぱなしの場合は立ち上がるように警告もしてくれるようだ。
きっと座って仕事ばかりしている自分は警告されまくりだ。
心拍センサーも組み込まれている。

こうしたヘルスケアのガジェットは
ナイキ「FUELBAND」のヒットに発端があったのではないか。


B00GKU17TCNike+ fuelband SE ナイキフューエルバンド SE ブラック/ボルト [並行輸入品]
Nike

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FUELBANDは、特にランニングやウォーキングをするひとたちに愛用され
BluetoothでiPhoneにデータを送信して管理できる。

デバイスのテクノロジーが進化したこともあるが、健康を自己管理する動向は
「クォンティファイド・セルフ(Quantified Self:QS)」として
注目されているらしい。

体調は、ほんらい目に見えない。
その目に見えない体調を数値化することによって
自分で管理しようという動きである。

ただ、2014年02月20日、Newsweekのサイトに掲載された
瀧口範子氏のコラムでは数量化トレンドに警鐘を鳴らしている。
(「ウエアラブルは何のための存在か」)

ウェアラブルデバイスによる体調管理は
ランニングやウォーキングの趣味の世界で活用されるだけでなく
もっと多様な活用が考えられるはずだ。

2015年1月22日のWIREDの記事でも
高齢化社会や慢性疾患に悩む患者のための医療分野で
活用されるべきではないか?という提言があった。
(「「ウェアラブル」業界は、届けるべきターゲットを見誤っている」)

最先端のガジェットとはいえないかもしれないが
聴覚に障害を持つ方のためにインターフォンや電話、ファックスが届いたことを
振動で伝える腕時計「シルウォッチ」という製品もある。

この製品を開発された85歳の齋藤勝さんの話を
Eテレの「ろうを生きる難聴を生きる」という番組で
興味深く視聴した。
(「安心を届けたい-音を知らせる腕時計-」)



ところで、ぼくが最近携わった仕事に
JUKI株式会社様(東証1部上場)が販売代理店として扱っている
「ドライブリズムマスター」の動画制作
ならびにパンフレットやSPツールの制作がある。

この製品は、ドライバーの事故防止や安全運転のために
シートに取り付けたセンサーが、心拍数などから
自律神経と副交感神経の動きを測定する。

そして眠気の予兆、集中力の低下などを
カーナビのような「体調ナビ」で音声とキャラクターで
教えてくれるユニークな装置だ。

以下、ぼくが制作に携わった紹介映像をYouTubeから。



企画構成・シナリオ作成、総合ディレクションはソーセキ・トゥエンティワン、
映像撮影と編集はヒューマンセントリックス様にお願いした
共同制作である。

自分で携わった仕事を紹介すると
「ステマだ」とか言うひともいるかもしれない。

しかし、ぼくは自分が仕事に携わる場合、
どのようなクライアント様や製品であったとしてもまず
「企業や製品を理解し、惚れ抜くこと」
が大切だと考えている。

最初は、正直なところピンとこなかった。
しかし担当者様の熱い説明を何度もヒアリングさせていただくうちに
「これって凄いかも!いや、こういう製品こそ社会に必要だよね!」
という想いに変わった。

ぼくはドライブリズムマスターに惚れ込んでいる。

IT業界でウィルス対策ソフトのプロモーションを考えていたときにも感じたが
たいてい、こういうリスク管理の製品の宣伝は「脅し」が多い。
事故が起きたときの危険性を煽って導入を促す。

しかし、ほんらいであれば
伝えるべき大切なメッセージは、利用者の安全にある。

ムリな運行を避けて、休憩をとるべきときにしっかり身体を休めたり、
運転を交替してもらったり、安全な運行管理をすることが大切。

ドライバーの体調をベストコンディションに維持するために、
自覚はないけれど身体が発しているサインを教えてくれることが
この製品の果たす役割である。
決して眠いドライバーを叩き起こしたり、
疲れているのにムリして働かせる強制労働の装置ではない。

北風と太陽の寓話があるが、脅しではひとの心は動かないことがある。

制作した映像では、きれいなナレーターの女性に
「毎日のお仕事お疲れさまです」とか
「健康に気を付けて行ってらっしゃい」というような
ドライバーの体調をいたわる言葉を
語りかけていただいた。

脅されるよりも、こういうコトバのほうが
数倍うれしいじゃないですか。
そもそも、ぼくが言われたい(笑)

結局のところ、テクノロジーは
ひとをしあわせにするためにある。

もちろん、ランナーの体調測定も大事だろうが
運転事故を未然に防いだり、高齢者や慢性疾患の方に注意を促したり
聴覚や視覚に障害のある方が快適に生活できるように
テクノロジーは活用されるべきではないか。

ぼくは、たかがコンテンツの企画・制作会社(というかひとりだけど)
のプランナーやディレクターに過ぎない。

しかし、コンテンツを通じて
社会に何かあたたかい贈り物をしたり
製品のよさを最大限に伝えることができれば、と考えている。

コンテンツ・マーケティングとよく言われるけれど
アクセスを集めるためだけのおちゃらけた映像や
バラエティ番組のようなウェブサイトや
クラウドソーシングの在宅ライターに
1件300円などの超低コストでウェブで収集した情報を
再利用して大量に文章を書かせることが
コンテンツ・マーケティングかというと
正直なところ違うとおもう。

そういうもんじゃないでしょ、コンテンツ・マーケティングは。

e826de6d8b36949f264c57240e026059_s.jpgコンテンツには可能性がある。

ひとつのコンテンツが、
社会や世界を変えることができるかもしれない。
新しい文化を生み出せるかもしれない。

そのためにはクリエイターは
時代の動向に感性のセンサーを働かせなきゃいけない。
「面白けりゃOK」
「炎上してもアクセス上がればOK」のような
志の低い稚拙な発想に留まっていてはいけないとおもう。

などというようなことを考え、コンテンツを創るものとして
ぼくはあらためて矜恃を正すことにした。

高熱でふらふらしている日曜日の午後に。

(外岡 浩)

「情報を呼吸する」というコトバが浮かんだ。
いいフレーズだ。しかし、どこかで読んだ気がする。

どうしても出典が浮かばないので
ウェブで検索したところ、ジャーナリストの津田大介さんが
『情報の呼吸法』という本を書かれていた。

あ、これ持ってる。


4255006210情報の呼吸法 (アイデアインク)
津田 大介
朝日出版社 2012-01-10

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ところが、雑然とした本棚を探したのだが
津田さんの本がみつからない。

ごく最近に他の本で読んだコトバのような気もする。
まあいいか。

生きていくために呼吸は必要である。
息を止めたら生きていけない。

情報に関しても
実際の呼吸と同じように吸ったり吐いたりするのがいいだろう。

情報の吸い込み=収集(インプット)
そして、情報の吐き出し=話す、書く(アウトプット)
が大事で、その「呼吸」を繰り返すことで
ぼくらはウェブの世界やリアルで生きていく。

しかし、吸い込んでばかりでは身体が膨れて苦しくなる。
吐き出してばかりでは酸欠になる。
情報という空気を「循環させること」が大切。

ぼくらは毎日の生活で
身体的な呼吸を意識することはない。

そんな風に生活の一環として
自然体で情報を吸ったり吐いたりするのが
大切なのだろう。

そこで、気持ちよく情報を呼吸するために
大切なことを5つ考えてみた。


1.吸うよりも吐くことが大事

谷川俊太郎さんと加藤俊朗さんが
『呼吸の本』という書物を出されている。
この冒頭で深呼吸と呼吸法の違いが示されている。


4904507487呼吸の本
谷川 俊太郎 加藤 俊朗
サンガ 2010-01-22

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深呼吸は、大きく吸って吐くのに対して
呼吸法は文字通り、吐いて吸う。
次のような箇所が非常に興味深かった。

「吸う」は「ためる」「ひとり占めする」「執着する」。
一方の「吐く」は「執着を取り払う」「心を浄化する」。
吸うより吐くほうが大事ということはそういうことです。

また、脳神経外科医の築山節さんは
『脳と気持ちの整理術 意欲・実行・解決力を高める』という本で
本や資料や話など「他人の脳の中にある知識」は
書く、話すなど出力を通してはじめて
自分の脳を通したことになると述べられている。


脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)
脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)築山 節

日本放送出版協会 2008-04
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つまり、記憶は入力ではなく出力をベースとして
考えたほうがいいというのである。

ぼくらはどちらかというと情報を収集すること
本をたくさん読んだり、ネットの徘徊に注力しがちだが
「書く、話す」というアウトプットが大事なのだ。


2.自分に合った適量・リズム・継続

読書のコミュニティでは、年末に
「年間100冊読了しました!」などの報告が踊る。
ぼくもそれ、やってみたことがあった。

そういう情報をみると
「やっぱりたくさん読まなきゃダメかな・・・」と
焦ってしまうひともいるだろう。

しかしながら、100冊読んだひとが
読んだけれど感想は3行だけ、ということも多い。

つまり読んだことに満足して
アウトプット、つまり吐き出すことができていない。
どこか「目標達成中毒(Goal Achievement Addiction)」になっている
滑稽な印象さえ受ける。

他人は他人、自分は自分。
そんなことで息を乱されてはいけない。

自分に合った適量の情報を収集し、自分のリズムで吐き出し
無理せずに情報の呼吸を継続すればいい。

他人のペースに惑わされそうなときこそ
深呼吸してみよう。
自然体で、あなたはあなたのままで生きるのがいちばん。


3.空気を変える

ウェブばかりで情報を呼吸していると
悪い空気を吸ってしまうことがある。

揚げ足取りと誹謗中傷ばかりの澱んだ空気の場所に
おもわず嵌まってしまうことも。

読書ばかりで文字の呼吸をしてみると
閉塞感に包まれることがある。

ときには音楽を聴いて「耳で呼吸する」
美術館や博物館に足を運んで「目で呼吸する」
家族や友人と話すことで「会話で呼吸する」

そんな風に空気を変えてみるといい。


4.鮮度を確かめる

最先端の情報がすべてよいとは限らないが
情報という空気には鮮度がある。

新鮮な空気を脳に送り込むこと。
そして、話したり書いたりして吐き出すこと。

テクノロジーにしても文化にしても
新鮮な情報には、好奇心を揺さぶられる新鮮な空気がある。
大好きなミュージシャンの新譜にはわくわくする。

とはいえ、情報の鮮度は絶対的なものではない。
たとえば古典をもういちど読み直してみると
真新しい感覚に、新しい風が吹いたように感じることもあるものだ。

つまり、自分にとって未知の領域は
鮮度が高い空気があり、リフレッシュしてくれる。

業界、同人、社内の人間関係などなど
閉ざされた環境の内部だけで生きていると
澱んだ空気によって、茹でカエルのように感性のセンサーを
鈍らせてしまう。

外に出よう。
新しい風に吹かれよう。


5.人間は忘れる

大切な情報を忘れることは怖い。
しかし、人間の脳内の許容量には限界がある。

人間は忘れる生き物であることを許容してしまおう。
忘れたことは恥ずかしくない。
「ごめん。それ忘れちゃった。なんだっけ?」と
また教えてもらえばいいだけのことだ。

いまは脳の延長として、あるいは外部記憶装置として
PCやスマホなどのガジェットや、インターネットの
クラウドによるストレージがある。
活用しよう。

とにかく情報は、ツイッターでつぶやいてTwilogにスクラップするとか
ブログやフェイスブックに投稿しておけばいい。
(フェイスブックの検索はいまいち使いにくいけれど)
とりあえず投稿しておけば、忘れちゃっても構わない。
気になったときに検索すればいいのだから。

検索して過去に自分が書いた記事を読み直すと
「え?これほんとに自分が書いた文章?」と
まったく書いたことを忘れていて、新鮮な気持ちになることもある。

過去の自分に出会うと新鮮な驚きがある。
忘却に感謝したい。

+++++

55a8792f6b3c74e2c0a5a3f7326dcedc_s.jpg無理に情報を吸い込むこともなく
いたずらにアウトプットの頻度にこだわることもなく
自然に、情報を呼吸したい。

穏やかに
吸って吐いて、また吸って
吐くことを繰り返して生活していきたい。

窓(Windows)を開けると
そこにはいつも新しい世界が拡がっている。
新鮮な空気がある。

気持ちを静めて
新鮮な情報という空気に触れていたい。

(外岡 浩)

ぼくは緑内障を病んでいる。
この眼の疾病は、一度罹患したら治ることがない。
失明というバクダンを抱えつつ
目薬で眼圧を抑えて悪化を避けるしかない。

酷いうつ病に悩まされていた時期もあった。
まったく起きられず、布団のなかで、ぼろぼろ泣いていた日々。
1年が10年ぐらいに長く感じた。そのために職を失った。
人間関係も最悪の状態になった。

うつ病はこころの病と考えられがちだが、
ほんとうに酷くなると身体にも影響を及ぼす。

不安に押しつぶされそうになって、呼吸困難になったこともあった。
いつもなら数分で書ける企画書を何度も起き上がっては倒れ込み
4時間ぐらいかけて1枚しか書けなかった。
3日間(ほんとうに)一睡もできなかったことさえある。


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不安、怒り、憎しみ、嫌悪感。

人間には、こうしたネガティブな感情がある。
「ポジティブ思考でいこう!」などと
脳天気なキャッチフレーズを掲げた本もあるが
そう簡単に前向きになれるか!と憤るひとも多いんじゃないか。

挫折や痛みや病を経験しないひとはその状態を理解できない。
そして誰かにとって10%のツラさであったとしても
そのひとに5%の耐性しかなければ
充分すぎるぐらいにツラい。

仏教をはじめとする多くの宗教や哲学、心理学は
この人生のツラさ、ネガティブな感情にどう向き合うべきかを
はるかな昔から考え続けてきた。
人間にとっては、永遠のテーマかもしれない。

そこでぼくも考えてみた。
結果、「ネガティブな感情は消せない」という結論に至った。

だって人間だもの。
考えたくないとおもっても、
心に浮かんできてしまうものがあるよね。

では、ネガティブな感情をどうすればいいのか。
これは「うまく付き合っていくしかない」とおもう。

うつ病を黒い犬に喩えた動画がある。
そこに、ネガティブな感情との付き合い方のヒントが示されている。


■うつと闘う全ての人へ贈る「4分間の映像」


負の感情は消せない。
消せないのであれば、うまく付き合うしかない。

その付き合い方の要諦は、次の3つだとおもう。

1)自分がいまネガティブであることを「認める」
2)他人ではなく負の感情を抱いている自分を「赦す」
3)感情をカッコでくくって「忘れる」

怒りや憎しみや嫌悪感が生じること自体は仕方ない。
しかし、何がよくないかというと、その感情に「執着」することだ。

ネガティブループを自分のなかでぐるぐる攪拌しているうちに
悪意の毒素はどんどん膨らんでいく。
その醸成された悪意は心を蝕み、やがて精神を病ませる。

では、どうやって執着を断ち切ればいいかというと、
ひとつには、自分の心に隙を与えなければいい。

どんなにつまらないことでもいいから打ち込むこと。
人間は一度にたくさんのことを考えられない。
一心不乱に何かに集中すれば心の隙間は埋められる。

それが明るいこと、楽しいことであれば最高だ。
自分の心をポジティブな光で満たしてあげたなら
少しだけ執着から離れることができるはず。

ネガティブな感情が生まれたとき
恥じたり、無理矢理打ち消そうとするから苦しむ。
「ああ、いま自分はネガティブモードなんだな、仕方ないね」
と、のんびり客観的に自分をみつめていればいい。
自責の念も、ほどほどにしておくこと。

冷たい雨が降る日もあれば、青空が広がる日もある。
天気は変えられない。
変えられないものをどうにかしようとしても
それは無理だ。

夢や目標は、人間を奮い立たせることもあるが
達成できない夢や目標は、現実とのギャップによって
到達できない理想を抱くことによって、かえって不幸になる。
現状を変えなければ、成長しなくちゃ、と気が急いていると
それだけで疲れてしまう。消耗する。

どこへ行くのか目的地を定めずに、
汗をかきながら、ひたすら歩いていたら
「あれっ!こんなに遠くまできてしまった。びっくりしたなあ」
という感じで、結果として成長しているのがいい。
振り回されるだけの夢や目標なんて要らないかもしれない。

きみが歩んだ先に夢や目標ができる。

「自分」や「個性」も要らない。
自分がない、個性がない、と血眼でセミナーに通ったり
自分探しに必死になる必要はまったくない。
弱い人間から金を巻き上げようとする商売はたくさんあり
いいカモになるだけだ。

きみがきみであること。
それが最大の個性であり、唯一のタカラモノだ。

誰に何を言われようが、嘲笑されようが周囲から孤立しようが
自分を信じていればいい。

「自信」とは、自分を信じると書く。
決してカリスマや他人を盲信することではない。

妄想であったとしても、自分を信じている人間は強い。
不信感に囚われているよりずっとしあわせだ。

自分を信じていれば、他人に対する憎しみに固執することもない。
他人から何を言われようともへっちゃらだ。
誰かの言葉尻を捉えたり、揚げ足を取って絡むこともない。
執拗に特定の人間に絡むようなひとは結局、
構ってもらいたいだけだ。

自分に目を向けていれば、他人のことはどーでもいい。
どーでもいいことにイライラしても人生のムダ。
自分の人生を生きよう。


ba6a5407ca25660c24dd7032c010a527_s.jpgしかし、そうはいっても
聖人君主や仙人ではないので
そう簡単に悟れないし、すぱっとさわやかに
悩みから解放されて
生きることなんて、できないだろう。

そのどこが悪いだろう。OKでしょ。

完璧に生きられる人間なんてどこにもいないよ。
失敗したり挫折したり、
それでもときにはよろこびがあったりして
でこぼこした人生が
面白味があっていいじゃないか。

とはいえ、
ちょっとだけ生活を居心地よくしたいな、と
考えること。
それが大切なのだろう。

そのささやかな気持ちさえあれば
きっときみは大丈夫。

(外岡 浩)

感性と聞くと、一般的に特殊な能力だとおもわれがちだ。
アーティスト特有のもののように聞こえる。

しかし、感性は一部のひとだけに授けられた先天的な能力ではない。
後天的に「鍛える」ことができる。

尾坂昇治さんの『「感性の扉」をひらく秘密の法則』を読んで
目からウロコが落ちるような言葉に出会った。
次のような言葉だ。


 感性の正体は実は「データ処理能力」だ。


141107_kansei.jpgのサムネール画像


英語にすると感性は「センス(sense)」である。
センスのいいひとというのは、確かにデータ処理能力に長けている。

たとえば、素敵なレストランを知っているひとは
豊富なレストランのデータから最も優れたものをチョイスする。
ビジネスセンスに優れたひとは
余計な仕事をせずに優先度の高い仕事を迅速に処理する。

「空気を読める」こともセンスだ。

最近、空気を読む風潮を悪しきものとして批判することもある。
確かに同調圧力のような、足を引っ張り合う空気はよくない。
しかし、センスのいいひとは他人の気持ちを敏感に察する。
他人の気持ちに鈍感なひとはセンスが悪い。

空気を読む力もまたデータ処理能力であって、
人間は言語のほかに、非言語(ノンバーバル)でコミュニケーションを行う。
つまり相手の表情、感情もデータのひとつであり
センスのいいひとは一瞬の表情や仕草の変化も見逃さない。

特に接客業では、そんなセンスが最も問われるだろう。
センスのいい店員は、こちらの感情を先読みして行動を起こす。
新しい皿がほしいんだけど、と言う前に「お皿をお持ちしますね」と持ってきてくれる。
お客様の気持ちに対する感度が高いのだ。

センスのいいひとは、相手を気持ちよくさせてくれる。

では、どうすれば感性つまりセンスを高めることができるだろう。
具体的には次の5つの方法が大切ではないかと考える。


1.情報のストックを増やすこと

データが増えると、それだけ情報処理能力も高まる。
ソムリエが繊細な味を見抜くように、他人の感情を繊細に読み取れるひとは
人間の感情というデータのストックが多い。
本を読んだりひとに会ったり、
あるいは成功だけでなく失敗も含めて仕事の経験が豊富なひとは
それだけビジネスセンスが高い。
常に情報感度を磨いて情報収集を怠らないこと。
それがセンスを高める。


2.直感的に優先順位を見抜く

センスの悪い仕事をしているひとは
どーでもいい些末なことに異様にこだわり続ける。
ビジネスセンスの高いひとは、ムダを徹底的に省いて
集中すべきことに全力を注ぐ。
だから高い成果をあげることができる。
大量の情報から重要な情報を直感的に見抜くことが大切。
第6感(sixth sense)も立派なセンスだ。


3.異種のデータを組み合わせる

ジェームズ・W・ヤングや野口悠紀夫さんも書いているが
アイデアは組み合わせである。
大量の情報から異種の情報を組み合わせられるひとはセンスがいい。
「え?そういうのあり?」という驚きを与えられるひとだ。
とはいえ、ただ奇抜なだけではダサい。
要するにコーディネイトの問題で、何を組み合わせたかということに
そのひとのセンスが問われる。


4.新しいモノを柔軟に吸収する

年を取るとアタマが硬くなりがちだが
年齢が若くても自分の価値観に固執するひとはセンスが悪い。
もちろん自分なりの考え方を大事にすることは必要だ。
しかし、まったく新しい何かに出会ったときに
自分にはなかった領域の情報を受け入れられるひとはセンスがいい。
センスの悪いひとは「常識的」だ。
ステレオタイプ(定型)の思考パターンしか持たない。
ときには非常識なものも受け入れられるフレキシビリティ(柔軟性)。
そんなひとには情報も集まる。


5.センサーを磨く

同じ情報を受け取ったとしても
スルーするひとと「あ、これ面白いかも!」とキャッチするひとがいる。
特別なことをする必要はない。
日常生活の至るところにダイヤモンドは転がっている。
それをキャッチできるか見逃すかは、センサーの感度による。
センサーの感度を高めるのは「好奇心」だ。
あらゆるものを面白がれるひとはセンスが高い。
センスの低いひとは、つまらないものばかりみつけてきて
批判することに全力を注ぐ。


josei_1.jpgのサムネール画像感性を磨く方法は他にも考えられるが
とりあえず上記の5つに日頃から気を付けていれば
センサーの感度は高まり、感性を鍛錬できる。

もちろん感覚的ではないロジカル(論理的)な能力も必要だ。
しかし、これからの時代をしあわせに生きていくひとは
センスの高いひとではないだろうか。

ウェブは情報の宝庫である。
この情報の宝庫から素敵なものを見出す。

そんなエクササイズを繰り返すだけでも
きっとデータ処理能力すなわち感性は高められるはず。

(外岡 浩)

sara_to_gaito.jpgうまく生きていくためには「行動力」が必要だ。
行動あるのみ。

というのは、どれだけ頭のなかで
素敵なことを考えていても、
その素敵なアイデアは単なる妄想にすぎないからだ。

「いつかギターを弾いてみたい」というひとは、
楽器店に足を運んでギターを購入するなど
行動をしなければ一生ギターを弾かない。

「いつか小説家になりたい」というひとは、
いまPCに向かって文章を書いていなければ一生小説家にはなれない。

大きなステップを踏み出す必要はない。
ほんのちいさなステップを積み重ねることで、
遠い場所にも到達できる。

とはいえ、「動けないとき」はある。
人生は順風満帆ではなく逆風に吹きまくられて
先に進めないときがある。
あるいは、躓いて引きこもってしまったり、うつ病になることもあるだろう。

そんなときには、動けない自分を許容してしまおう。
ムリに動く必要はない。
そして次のような5つの要諦を考えてみるといい。


1.いまは深く考える

動けなくても、思考を動かすことはできる。
いろんなことを考えてみよう。
過去を振り返って、自分を再確認したり再発見してもいい。
宇宙の起源はどうだったのかなど、壮大な哲学を展開してもいい。
ただ、悩んではいけない。
「悩む」ことと「考える」ことは根本的に違う。


2.削ぎ落とす

やらなくてもいいことはやらない。
そのイベントのために外出することは必要だろうか。
どうでもいい飲み会に参加して出費することに意味があるだろうか。
本なんか読まなくても、ぼんやり空を眺めていればいいんじゃないか。
シンプルに生きてみよう。


3.自分の禁じ手を作る

動けないといっても、最低やっておかなきゃならないことはある。
例えば食べること、水分を補給すること。
そして充分に眠ること。
動けないけど、食事をとらないことは禁じるなど、自分なりの行動規範を作る。
最低限のことだけやれば、あとは動かなくていい。


4.準備をする

次の行動のための充電期間だと考えよう。
たっぷり睡眠をとって、のんびりと時間を過ごそう。
動けないのなら、動かないと割り切ってしまうことだ。
しかし、準備のための充電期間だから動かないと考えるのはおかしい。
「のための」という思考を言い訳にしてはいけない。
とりあえず、いまは階段の踊り場にいるんだ、と考えればいい。


5.眠る

どれだけ眠っちゃいけないというルールなんてない。
冬眠のクマは冬の間、ずっと眠っている。
タンポポは夏眠して他の植物が花を咲かせる時期を外して花を咲かせる。
つまり、他人とは別の自分だけの時間感覚で生きればいい。
1日20時間眠ってもいい。少なくともぼくは咎めない。
凄いとおもう。20時間も眠っちゃうことができるあなたは。


+++++


fccc47bd0e3375c0e04eb727a6b87f22_s.jpg動けない自分を責めなくていいんじゃないかな。
いまはそういう時期にある、というだけのことだ。
振り返ってみると活発に動いていた時期もあるだろう。
子供の頃には夢中で遊んでいたんじゃないか。

SNSで「素敵な食事をしました!」
「みんなで集まって最高!」という
投稿をみて落ち込んだり嫉妬したりするのであれば
ネットをシャットダウンしてしまえばいい。
他人は他人だ。勝手に生きてください。
他人と比較してあなたの人生を
自分で貶める必要はない。

あなたに必要なことは自分の人生を生きることだ。
動けなければ、動けないことがいまのあなたの人生だ。
それでいいじゃん。
どこが悪い?


動けない時間も大切にしよう。
みんなが行動的である必要はない。
あなたはあなたの時間を生きればいい。

(外岡 浩)

人間には3種類のタイプがあります.pngのサムネール画像


「人間には3種類のタイプがあります。それは・・・」というフレーズがよく使われる。

膨大なビジネス書を読んできたが、しばしば登場する。いわば常套句であり、ステレオタイプな思考でもある。そう言っておけば、とりあえず賢そうにみえる便利な言葉だ。

どこか村上春樹さん的な思考という印象を受ける。『ノルウェイの森』に登場する永沢さんが使いそうだ。実際に使っているかもしれない。

いや、たぶん使っているはずとおもいつつ、どうしてもおもい出せないのでネットで検索してみたところ、別の本だが、新潮文庫の『ペット・サウンズ』のあとがきで、村上春樹さんは次のように語っているそうだ。「世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことない人だ。」と。やっぱり。

問題を3つに絞り込んで箇条書きにする方法は、確かマッキンゼーのコンサルが使っていた手法が一般に広がったと記憶している。確かに、だらだらと問題を列挙するよりも、簡潔に「3つあります」と絞り込んだ方がシンプルで、対策も取りやすくなる。デキるビジネスマンは、基本的にこの手法を使いこなして適切に問題を解決する。上司に対する報告も分かりやすい。

しかしながらビジネスのイシュー(課題)に対してはともかく、人間を「3つ」にカテゴライズするのはどんなものかな、と感じる。

といっても、尊敬する稲盛和夫さんも、「可燃性の人」「不燃性の人」「自然性の人」がいると述べている。ようするに自分からモチベーションを発揮して頑張れる自然性の人と、リーダーから与えられたらやる気が出る可燃性の人と、批判ばかりして動かない不燃性の人がいるということである。


4837923100働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」
稲盛和夫
三笠書房 2009-04-02

by G-Tools


ただ、留意しておきたいのは、稲盛和夫さん「3つのタイプがあります」と限定していないことだ。

というのは、可燃性の人間が、ある仕事の契機を経て成長して、みずから心に火を灯すような場合もあり得るだろう。批判ばかりで動かなかった人が自省して、生き方を変えることもある。人間は変わることができる。その寛容性が発想の原点に据えられている解釈している。

勝ち組と負け組、富裕層と貧困層、若者と老人、男性と女性、血液型、肌の色、国籍・・・などなど、人間はカテゴライズ(分類)することが好きだ。しかし、何かのフレームで物事を切り取るということは、切り取られた余分な部分を排除していることでもある。

「人間には3種類のタイプがあります」とカテゴライズしたとき、それぞれのタイプのフレームに当てはまらない属性は排除している。多様性を認めない考え方ともいえる。あるいは、タイプ分けした人間の傲慢さを感じてしまう。おまえは神か?と問いたくなる。そんなに簡単に人間はカテゴライズできるものじゃないだろ。

人間はとても複雑な生き物だ。人生は多様性に満ちている。

それをシンプルにカテゴライズすることは、複雑さを切り捨てている。仕事なら構わない。仕事の場合はシンプルに課題を整理したほうが効率的であり、生産性もあがる。しかし、人間は複雑でいい。多様だからこそ味があるものであり、社会的には弱者であったとしても素晴らしい生きざまの人間もいる。

たとえば、「自分の職業はライターです」と言い切ってしまったとき、ライター以外の仕事はドメイン(主な領域)から外れて、自分の守備範囲ではなくなってしまう。つまり肩書きは自分の守備範囲を明確にするとともに「可能性を殺す」ものでもある。

「なんだか分からないものでありたい」と、自分は常に考えてきた。

趣味で音楽を創っているのだけれど、ジャズなのかポップスなのかエレクトロニカなのかわからないものを創りたかった。そして、「なんだこれは!いったいこれはどういうジャンルだ?!」というアートに出会うと嬉しくなる。

そもそも、iPhone は「Phone」とネーミングされているが電話だろうか。

確かに電話の機能はある。しかし、電話でありながらゲーム機でもあり、デジタルカメラでもある。あるいは辞書にもなるし、地図にもなる。iPhone は、いまや究極の「なんだか分からないもの」だ。しかし、その多様性が多くの利用者を惹き付けてやまない。

多くのビジネスモデルでも同様のことが考えられる。スターバックスがただの「喫茶店」であったなら、これほど店舗を増やすことはできなかっただろう。心地よい空間を提供する、というある意味、抽象的な付加価値の提供に撤したからこそ事業を拡大した。

ushirosugata.jpgあらたなビジネスは、既存の市場をベースにしながら「?」という驚きのある組み合わせやコンセプトから生まれるものだと考えている。イノベーションを行うためには、がちがちにカテゴライズされて硬直した思考では難しい。柔軟な思考が求められる。

だからぼくは「人間には3つのタイプがあります」という言説を拒むことにしている。

カテゴライズによって思考に硬直したフレームを形成し、「偏見」で他人や現象を見切りたくない。「あなたにそういう側面があるなんて考えもしなかったよ、びっくりした!」という意外性を見出して生きていきたい。

なぜなら、意外性に満ちた人生は楽しいからだ。

人生はきれいにカテゴライズされて整理されたものよりも、なんだか分からない、とっちらかった雑然としたものの方がいい。というのは、ぼくの部屋が雑然としているからかもしれないけれど(苦笑)

ちょっとだけ片付けも必要ですね。部屋のなかも人生も。

(外岡 浩)